1952-07-02 第13回国会 参議院 本会議 第60号
御承知の通りに、ヨーロツパの中世紀におけるところの自由大憲章だとか、人身保護律というような考え方、或いはマーチン・ルーテルだとか、フランスのカルヴインの思想を酌んで、あなたのおつしやる通り自然法の考え方がやはりこの日本の憲法に影響しておるということは、私はあなたの言われる通りに認めるのであります。従つて、只今申上げたような立場において、そういう意味合いに公共の安全というものを考えたらどうか。
御承知の通りに、ヨーロツパの中世紀におけるところの自由大憲章だとか、人身保護律というような考え方、或いはマーチン・ルーテルだとか、フランスのカルヴインの思想を酌んで、あなたのおつしやる通り自然法の考え方がやはりこの日本の憲法に影響しておるということは、私はあなたの言われる通りに認めるのであります。従つて、只今申上げたような立場において、そういう意味合いに公共の安全というものを考えたらどうか。
本法は、英國の法制において「ヘイビアス・コオパス」の手続、すなわち「身柄を差出す手続」として、一六七九年に発布された人身保護律にならつたものであります。すなわちこの法律は人身を不法に拘禁した者に対して、被拘束者の身柄をただちに裁判所に提出し、かつ拘禁の理由を明瞭にせよという命令、いわゆる人身保護令状の手続を定めたもので、人権の尊重保護を主眼とする民主主義憲法の裏書をなすものであります。
これがこの人身保護律を生んだ一つの理由であろうと思うのであります。 と同時に、これは規則制定権及び法令審査権なりに妥当するのでありますが、もう一つの重大なる要素は、私は英米におけるところの司法権優越の制度であり、機構であろうと思うのであります。この規則制定権については後程簡單に触れさして頂きたいと思いますが、英國の裁判所は確かに法曹一元という制度を通じて、民衆をバツクとしておる。
これは憲法三十四條後段の規定、英國の人身保護律、リット・オブ・ヘビアス・コーパスですが、この人身保護律と人身保護法、これを模範としたことは、その字句を比較いたしまして極めて明瞭であります。イギリスにおきましては、この人身保護令状、これと人身保護法律、これは一六七九年と一八一六年、この二つの法律がありますがこれによつて國民の自由は完全に保護されると言われておるのであります。
一般人は從つてこの一六七九年の人身保護律という法律で以て初めて個人の自由の法的な保障がイギリスで以て定められたのである。